適性検査の種類比較と効果的な選択方法

2017/10/16

人材採用において、経営者や人事の勘や経験をフォローする、または数値化・言語化する一つの方法として適性検査というのがあります。近年HRテックやピープルアナリティクスと呼ばれる分野も発達してきたことによって、適性検査のデータを活用することで更に有効な採用の施策を打つことができるようになります。

目次

適性検査とは

能力や性格を数値化または言語化する目的で開発されたものになります。
起源としては1900年に入ってから、知能検査開発という形で適性検査が出現しました。現在では心理学、認知心理学、脳科学、統計学などのアプローチから様々な角度で適性検査が進化しています。

そして2010年以降からビッグデータやAI(人工知能)を活用し、適性検査は更なる進化を遂げようとしています。色々な種類の適性検査があるため、人事の方からするとどれがいいのか悩むところだと思います。

適性検査の大きな3つの役割

セレクション(見極め)

応募者に対しての足切りや選考における見極めをサポートする役割で利用できます。能力検査では点数によって、見極めができます。性格検査では、人の要素を分解し平均値と比べて、どのような値なのか、どのような特徴があるのかといったことが出力されます。

サービス例:SPI3GAB、CAB

アトラクト(引きつけ)

応募者に対しての引きつけ、モチベーションアップやクロージングをサポートする役割で利用できます。主に性格診断やコンピテンシーを元に、どのように口説けば良いのか、どのようにコミュニケーション(面談・面接)を設計すれば良いのかといったことが出力されます。

例:HRアナリスト

アサイン(配属)

応募者の未来の配属から逆算して、誰を採用すべきなのかを予測する役割で利用できます。社内アンケートをもとに類似性や相性をベースに適性を出力することができます。適性検査という名称ではなく組織分析や人材分析といった名称でサービスを提供していたりします。

例:モチベーションクラウドwevoxHRアナリスト

役割ごとの適性検査の選択方法

セレクション型適性検査

応募者が多く面接官や人事の工数が選考に費やされてしまっている場合に効果的です。
また、選考の振り返りをした際に、採用のセレクション精度に課題があるときなどに導入することで、選考精度の向上が見込めます。

ただし、セレクション型適性検査は御神託的な要素が強いため、しっかりと導入後の振り返りをしないと採用力が低下する恐れがあります。しっかりと採用力も上げていくためには、選考と適性検査結果との摺り合わせをおこなうことが重要です。

アトラクト型適性検査

選考の途中での辞退や内定辞退が多く発生している場合に効果的です。また、同業の企業間での採用競争が激化している場合も効果的です。
欲しい人材だったのに最後の最後で競り負けてしまったなどの状況を改善したり、採用力を強化するという点で効果が見込めます。

ただし、アトラクト型適性検査はアドバイザーとしての要素が強いため、依存性が高くなる可能性があります。依存性を低くするためには、人がすべき仕事とツールがすべき仕事をしっかりと仕分けすることが重要になります。

アサイン型適性検査

入社後のミスマッチや離職が多く発生している場合に効果的です。また、新卒採用において入社後の配属適性がわかりづらい状況においては効果的です。

ただし、ツールへ依存してしまうことで多様性が欠如した組織となってしまうことがあります。経営戦略と紐付いた利用をすることが重要になります。

適性検査の可能性

今までの適性検査は、医療(カウンセリング)を目的としたエンジンを搭載した適性検査が主流でしたが、近年統計や機械学習を活用した新しい適性検査が出てきています。

この記事を書いている『HRアナリスト』も統計や機械学習を活用した人材分析サービスです。

今まで、適性検査が抱える「よく見せるような回答ができる」「入力(回答)と出力(結果)の間のブラックボックス」「結果に対しての信憑性」というのを権威付けといったかたちで解決してきました。例えば、「〜大学教授監修」のような形です。

そうではなく、「社内のデータを活用して、どのような人を採用すべきなのか」「人事のノウハウを論理的に処理することで、どのように口説けば良いのか」「人と人の相性をベースにどのように配属すれば良いのか」を統計や機械学習を活用し、出力できるようになっています。

ここに適性検査の新しい可能性があります。
既存の適性検査にもメリットはありますが、新しいデータやAIを活用した適性検査を導入してみてはいかがでしょうか。
このようなサービスは早めにデータを収集することが不可欠です。既存の適性検査と並行して導入するのも重要となります。

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