採用において良質な候補者体験(CX)が必要とされる2つの理由

2019/12/06

CX(キャンディデイトエクスペリエンス、Candidate Experience/候補者体験)という言葉をご存知でしょうか?
本稿では、候補者体験(CX)の意味を解説しつつ、採用において良質な候補者体験(CX)が必要とされる理由をお伝えします。

目次

候補者体験(CX)とは何か?

候補者体験(CX)とは「採用候補者が企業との接点で得られる体験」を意味します。

そして、候補者体験(CX)は企業と候補者のあらゆる接点に存在し、候補者の応募意欲や志望度に作用します。

候補者体験(CX)の例
  • 求人サイトの募集情報を読んだところ、自分のやりたい仕事に関われそうだと思えたので応募意欲が高まった
  • スカウトメールが自分の経験や興味に沿って書かれていて感動した。スカウトをしてくれた人に会いたくなった
  • 受付の待ち時間に目の前を通る社員さんが全員笑顔で気持ちの良い挨拶をしてくれて嬉しかった。こんな社風の組織で働きたいと思った
  • 面接官の態度が紳士的で、私という人間に興味を持っていただけることが分かる質問が多くて面接が楽しかった。自分がこの会社から求められていると感じて、志望度が高まった
  • 面接終了時に「結果は3日以内にご連絡します」と聞いていたが、当日中に結果の連絡が届き、スピードの速さに感心した

良質な候補者体験(CX)は、一人ひとりの候補者に対して、誠意ある対応をする意志や気持ちを表す行為に宿ります。

この意味において、良質な候補者体験(CX)は高度なテクノロジーや複雑なテクニックを必ずしも必要としません。

まずは、自社が現実的に対応できる範囲・簡単に始められることから、良質な候補者体験(CX)の実践に挑戦してみることをお勧めします。

良質な候補者体験(CX)が必要とされる2つの理由

1. 選考体験情報のオープン化

かつて、就職活動や転職活動はプライベートな活動であり、そのセンシティブな選考情報は他人に積極的に共有するようなものではありませんでした。

しかし、今は違います。

SNS上では、多くの人が自身の就職活動や転職活動に関する選考体験情報を発信することが当たり前になりました。

ある人は「面接で嬉しかった出来事」をみんなと分かち合いたい。面接をしてくれた面接官や企業を讃えたい。そんな思いをSNSに発信します。

また、ある人は「OB訪問で出会った社員から馬鹿にされて悔しかった気持ち」を誰かに知ってもらいたい。そうだよね、と共感してもらいたい。そんな事を思いながらSNSに投稿をします。

このように選考体験情報がオープン化する流れを踏まえると、企業は採用選考において、一人ひとりの候補者に対して良質な候補者体験(CX)を届けることが最善手となり、結果的に様々なメリットを享受できます。

<良質な候補者体験(CX)のメリット>
  • 悪評の拡散リスクを抑えられることができる(悪評が立つような事をしていないので当然のこと)
  • 候補者の自社に対する印象を良くすることができる。場合によっては志望度を大きく高めることも期待できる
  • 候補者がSNSで自社の評判を広めることで認知拡大や採用ブランディング効果を狙える

2. 売り手優位の採用市場

今、採用市場における売り手と買い手のバランスは、売り手優位に大きく傾いています(採用に関わりのある方であれば求人倍率に関する調査情報を見るまでもなく、実感がお有りだと思います)。

この売り手優位の状況はいつまで続くのか?

普通に考えると、今後、景気悪化に伴う「企業の採用控え」の流れが起こった際には買い手優位への揺り戻しがあるように思えます。一方で、少子高齢化による労働力人口の減少トレンドを考慮すると、揺り戻しは限定的であり、バブル崩壊後の “就職氷河期” のような状況には発展しないようにも思えます。

いずれにせよ、企業は最悪のシナリオ(採用市場の売り手優位が長期化する “採用氷河期” のシナリオ)を想定して、売り手優位の環境下における採用に備えておく必要があります。

それは、候補者を選ぶこと(見極め)と候補者から選ばれること(口説き)を両立させる採用です。

普段から実践している候補者を選ぶこと(見極め)に加えて、引く手数多の優秀な人材から選ばれること(口説き)をどのように実践していくのか?

この候補者から選ばれること(口説き)を実践する上での指針として、良質な候補者体験(CX)が注目されています。

例えば、面接で候補者に対して良質な候補者体験(CX)を提供するためには「候補者の興味関心に沿った形の情報提供をすることが良い」と言われています。

<面接の良質な候補者体験(CX)例>
  • 安定志向の候補者に対して「未経験で活躍している社員の事例」や「自社の事業の将来性」を伝える
  • 成長志向の候補者に対して「短期間での昇進昇格ができる評価制度」や「社員に委ねる裁量の大きさ」を伝える
  • 年収を気にする候補者に対して「モデル年収」や「今後の年収の伸び具合のシミュレーション情報」を伝える
  • まとめ

    いかがでしたでしょうか?

    候補者体験(CX)という言葉自体は、まだまだマイナーな言葉なのかも知れませんが、

    消費者から選ばれるプロダクトやサービスを実現する上でユーザー体験(UX:User Experience)が重要視されているように、候補者から選ばれる採用を実現する上で候補者体験(CX)の重要性が認知されていくのだと思います。

    その過程において、候補者体験(CX)がバズワード(一過性の流行語)として役目を終えるのか、それとも、採用の現場に根付いていくのかは定かではありませんが、

    私は、採用市場に身を置く一人の当事者として「一人ひとりの候補者に対して、誠意ある対応をする意志や気持ちを表す行為」をもっと普及させたい。その共通言語として候補者体験(CX)という言葉を採用の現場に根付かせたい。そんな思いで記事を執筆させていただきました。

    正直、候補者体験(CX)という言葉を知らなかったという方もいらっしゃったと思いますが、今回の記事を通じて、その意味と必要性に気づき、明日からの採用業務で実践してみようと思っていただけたのであれば、嬉しく思います。

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