カジュアル面談で「すれ違い」が起きる原因と対策

2020/12/25

「カジュアル面談と聞いていたが、普通の面接をされた。事前に面接だと分かっていれば志望動機の準備をしたのに…」

「カジュアル面談に誘われるがままに参加した結果、一方的に選考見送りの連絡が届いたが、応募するかどうかも決めていない中で勝手に応募していたと見なされていたなんて…」

本来、カジュアル面談は “個人と企業のマッチングの可能性を広げる役割” を担う、歓迎されるべき手法であるにも関わらず、このような残念な「すれ違い」が起きるのは何故なのでしょうか?

本稿では、カジュアル面談で「すれ違い」が生まれる原因を解説しつつ、カジュアル面談を上手く機能させる対策をご紹介します。

目次

カジュアル面談の用途の多様化

カジュアル面談とは何か?

筆者の記憶では、カジュアル面談の元々の意味は「個人と企業が選考される側・選考する側の関係になる前に、フラットな関係性のもとに気軽に話をする場」であったように思います。

個人が「選考に応募する」段階まで意向が高まっていない中でも、企業と個人が気軽に話をできるカジュアル面談を実施することで、企業は転職潜在層との長期的な関係構築ができます。個人も将来の転職先候補を慎重に見定めることができます。

そして、カジュアル面談は、Wantedly Visit(「話を聞きに行きたい」ボタンで知られる会社訪問サービス)などに牽引される形で採用市場に広く普及していく過程で、当初の「関係構築用途」とは異なる、「選考用途」で実施されるケースも増えていきました(※)。

※余談ですが、新卒採用市場において “インターンシップ” が本来の「職業体験用途」から、「会社説明会用途」でも実施されるようになっていった流れと似ているなと感じます。

このカジュアル面談の用途の多様化が、カジュアル面談で「すれ違い」が生まれる原因となっています。

ゆえに、カジュアル面談の「すれ違い」を避けるためには「自社のカジュアル面談はどのような用途で実施するのかを丁寧に説明すること」が重要になります。

これからご紹介する、用途別のカジュアル面談の説明例をぜひ参考にしてみてください。

用途別のカジュアル面談の説明例

1. 関係構築用途のカジュアル面談

関係構築用途のカジュアル面談で最も大切なことは、カジュアル面談が選考とは切り離されていることを明示することです。

「カジュアル面談を通じて互いに情報交換しましょう。それから選考に応募するかどうかをご検討下さい」という趣旨を丁寧に説明しましょう。

<説明例>

“「実質は面接ではないか?」というご心配はあるかと思いますが、面談の段階での選考は行っておりません。和やかな雰囲気の中でリラックスしながら進めますのでご安心ください。「面談」と「面接」の違いはジャッジするかしないか。面談ではマッチングを目的とした、双方からのフランクな情報交換に徹しています。面談後、ご希望の方には書類選考に進んでいただきます。応募方法は面談後に口頭でお伝えし、メールでもご案内します。(選考を辞退したい場合は、その旨お伝えいただければ、その後の連絡は控えます。)”

参考:新しい就活のカタチ。当社選考に応募する前に「カジュアル面談」をしてみませんか?|​株式会社日昇のインテリアブログ

2.選考用途のカジュアル面談

選考用途のカジュアル面談で最も大切なことは、カジュアル面談と選考の境界がないこと(つまり、選考の一環であること)を明示することです。

<説明例>

“カジュアル面談は”相互理解の場“ではありますが、あくまで”採用の場”です。転職意志が前提になります。単なる会社説明会とは異なりますので、ご自身の自己紹介の中でこれまでのご経歴やキャリアについてもお話しいただく必要がございます。必ず履歴書、職務経歴書をご持参ください。お互いに貴重な時間を割いて面談をしているので、お互意義な時間となるように心がけましょう”

参考:paiza利用時の企業との面接・面談 | ITエンジニア専門の転職サイト【paiza転職】

また、カジュアル面談と選考の境界線が曖昧な場合(一律な線引きが難しいケース)もあるかと思いますが、その場合においても、できる限りの言葉を尽くすことが大切です。

<説明例>

「『面談』と言いつつも結局は『面接』なのでは」とツッコミを受けることもあります。どの面談から選考が始まるという明確な線引きは設けていないですし、お会い頂く中で、お互いにまた会いたいと思えば次の人との面談をセットしたりオファーをお出しする、そんな形で捉えています

参考:カジュアル面談って何?一期一会の採用プロセス|Wantedly

終わりに

「カジュアル面談と聞いていたが、普通の面接をされた。事前に面接だと分かっていれば志望動機の準備をしたのに…」

「カジュアル面談に誘われるがままに参加した結果、一方的に選考見送りの連絡が届いたが、応募するかどうかも決めていない中で勝手に応募していたと見なされていたなんて…」

このような残念な「すれ違い」が起きることのないように、自社のカジュアル面談はどのような用途で実施するのかを丁寧に説明する企業が増えることを願います。

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