エンジニア採用で経営者や人事が知るべき考え方や手法とは?

2017/12/17

経営者や人事の方のお話を聞いていると、エンジニア採用の難易度が年々上がっているのを感じます。エンジニア採用市場では、企業側が早期に効果的な打ち手を採らない限り、益々難易度が上がり、資本を多く持つ企業や工夫をこらしている企業しかうまく採用できなくなります。
そこで、どういった考え方でどのような手法を取れば良いのかお伝えしていきます。

目次

エンジニア採用で経営者や人事が知るべき考え方や手法とは?

エンジニア採用が上手くいかない2つのパターン
エンジニア採用が上手くいかない企業には大きく2つのパターンが存在します。まずは、このパターンに当てはまっていないか確認してください。

経営陣がエンジニアの仕事に関して知見が無い、または無関心

例えば、
元々経営陣にエンジニア出身者がいたが退職してしまい、経営陣が非エンジニアで構成されることになっってしまった。エンジニアチームが存在するが、経営陣とのコミュニケーションに溝が発生してしまっている。
または、そもそもエンジニアチームの会社に対するロイヤリティがあまり高くない企業。

こういう状態になったときに、経営陣がエンジニアの仕事に対しての知見を深めるために学ぶ努力をしていない。または、企業の成長の過程で仕事が分業されているため、経営者が開発の仕事に無関心または現場に丸投げにしてしまっている。「経営者の仕事は経営であり開発ではない。よって、現場で何とかするべきだ」このように経営陣が考えていたとすると赤信号です。

もし、開発が経営戦略上、重要なファクターであるのであれば、経営陣の誰かはエンジニアの仕事に対して学ぶ努力をしなければならないですし、経営上重要なファクターで無いのであれば、外注の選択肢を見直し、内製化は再検討すべきです。

社内のエンジニアが採用への関心が低い

例えば、
元々経営陣にエンジニア出身者がいたが退職してしまい、経営陣が非エンジニアで構成されることになっってしまった。エンジニアチームが存在するが、経営陣とのコミュニケーションに溝が発生してしまっている。
または、そもそもエンジニアチームの会社に対するロイヤリティがあまり高くない企業。

こういう状態になったときに、経営陣が採用を強化するという方針を立て、エンジニアチームに採用強化の指示を出したがエンジニア採用チームがプロダクトに関心はあっても、採用をはじめとした経営に関心がなく、指揮命令系統がうまく機能していない場合は赤信号です。

もし、開発が経営戦略上、重要なファクターであるのであれば、経営陣とエンジニアチームとコミュニケーション量を増やさなければならないですし、経営上重要なファクターで無いのであれば、外注の選択肢を見直し、内製化は再検討すべきです。

この前提をもとに話を進めていきたいと思います。
もし、社内のエンジニアに対して理解を深めたい場合は、「HRアナリスト エンジニアタイプ分析」をご活用ください。

経営者や人事がエンジニア採用で知っておくべきこと

それでも、開発が経営戦略上、重要なファクターであり、エンジニア採用をなんとかしなければならない場合、どのように考えれば良いのか考えていきましょう。

エンジニアに経営(マネジメント)を求めても意味がない

エンジニアはプロダクトを作ることが頭の中の多くを占め、経営についての関心が少ない人が多いです。これはすべてのエンジニアが当てはまる訳ではありません。しかし、多くの経営者や人事は、経営についての関心があるエンジニアを採用しようとして失敗します。
エンジニアからすると良いプロダクトを作るために開発に全精力を傾けようとしているのに、経営という専門外のことでパフォーマンスを落としたくないと思っています。
良いエンジニアになればなるほど良いパフォーマンスに視点が向きますので、採用時点から経営に携わってほしいというのはなかなか無理ゲーな要望です。

優秀なエンジニアは何を考えているか。
良いプロダクトにチーム開発が必要であれば、良いプロダクトに良い経営が必要であれば、きちんとマネジメントをしなければならない、きちんと経営を理解しないといけないということを、優秀なエンジニアであれば理解しています。
しかし、採用の時点であれもやってくれ、これも考えてくれというのはパフォーマンスを落とす要因でしかありません。
わざわざパフォーマンスを落とす選択をするでしょうか?優秀であればあるほど、パフォーマンスに厳密です。

エンジニアに会社へのロイヤリティ(志望度)を求めても意味がない

これは前段の、エンジニアに経営(マネジメント)を求めても意味がないことと同様に、ロイヤリティに関心が少ない人が多いです。エンジニアはプロダクトに対してロイヤリティを持つのであり、企業という組織にロイヤリティを持つのではないとうことです。
誤解が起きそうなので、もう少し詳しく書いていくと、日本の採用の大部分は就職ではなく就社です。多くの文系就活は、まず会社へのロイヤリティを求めます。「自分にとって良い会社が作っているプロダクトなので良いプロダクトであろう」というロジックです。エンジニアの場合は、「自分にとって良いプロダクトを作っている会社が、結果として良い会社だった」というロジックです。
こういった前提のロジックが違うのに、会社へのロイヤリティを採用の時点で聞いても意味がありません。採用の時点でプロダクトに対してならまだしも、会社へのロイヤリティを答えろというのは無理ゲーな要望です。

フルスタックを求める会社ほど危険なものはない

採用媒体を見ていると「フルスタックエンジニア募集!」や「フルスタックでいろいろな仕事に挑戦できます」というような記載がありますが、エンジニアからすると「こんな危険な会社入るわけ無いだろ」という感じです。
さっきも書きましたが、良いエンジニアになればなるほど良いパフォーマンスに視点が向きます。パフォーマンスを上げるのに、あれもこれもやれるというのは、あれもこれもやらされるとしか思えません。わざわざパフォーマンスを落とす選択をするでしょうか?優秀であればあるほど、パフォーマンスに厳密です。
エンジニアについて経営者や人事の理解が浅いなという判断になります。

 

著:池田信人 編:パーソルキャリア株式会社

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